海外旅行前に知っておきたい医療情報

救急車は自分で呼ぶか、言葉が通じないときはホテルや店の従業員に頼みましょう

重症の場合は高度な専門病院へ

腹痛や風邪など、軽症の場合はホテル専属の医師や日本語の通じるクリニックへ行けばよいのですが、脳卒中や心筋梗塞で突然倒れたり、交通事故で命に関わる重症を負った場合は、速やかに救急車を呼んで設備の整った高度専門病院で治療を受ける必要があります。

以前は脳卒中などで倒れたら動かさないほうがいいとされていましたが、現在は早急に病院へ搬送するという考え方に変わっています。現在、海外旅行中の死亡原因のトップは脳卒中と心筋梗塞になっています。

どちらも倒れてから1時間以内に高度専門病院で治療を受けることが求められますが、日本語の通じ医師を探したり、保険会社への連絡を優先したりして救急車を呼ばず、初期の対応が遅れて死亡するケースも少なくありません。

きちんと救急車を呼べば、黙っていても救急隊員が症状を見て、それに対応できる病院へ搬送してくれますので、必ず救急車を呼ぶようにしましょう。主な国の救急車の番号は、国内で発行されている旅行ガイドブック(「地球の歩き方」など)に必ず掲載されていますので、出発前にメモして財布にでも入れておけば、いざというときに慌てなくて済みます

  • アメリカ、カナダ、ハワイ…911
  • オーストラリア…000
  • ニュージーランド…000
  • イギリス、香港…999
  • フランス…15
  • 中国…120
  • 韓国、台湾…119

旅行者は言葉が通じなかったり、仮に言葉が通じても土地勘がないために場所を説明できないことも考えられます。ツアーの場合は添乗員に呼んでもらい、個人旅行の場合はホテルのフロント、街中で倒れた場合には商店やホテルに駆け込んで助けを求めましょう。救急車では、症状に応じて適切な病院へ運んでくれますが、その場合も旅行用診断書を持っていると、いっそう適切な処置をスムーズに受けやすくなります。

先進国の救急車のシステムは大筋では日本と同じですが、細部で異なっています。一番の違いは、海外では救急車の利用は原則として有料のところが多いという点です。

ヨーロッパでは3種類の救急車があり、一つは医師が同乗しているタイプ、もうひとつは一般的なタイプ、最後は高齢者が通院に使う救急車です。電話口で症状が伝えられれば、必要に応じて医師が同乗するタイプが手配されます。地域によっては救急車を呼んでも必要がないと判断されれば、出動しないこともあります。

ホテルの医師や日本語の通じるところは風邪、下痢、腹痛など命に関わらない緊急の病気でかかる小規模のクリニックがほとんどです。脳卒中、心筋梗塞、交通事故など意図にかかわる緊急時は高度の専門病院へ迅速に搬送されることが大切です。