海外旅行前に知っておきたい医療情報

アレルギーの原因食品を確認し、誤飲に備えて対処法も覚えておきましょう

アナフィラキシーショックに備える

日本人の食物アレルギーの原因で特に多く見られるのは、卵、乳製品、小麦となっており、この3つは「三大アレルゲン」として知られています。

蕎麦、魚介類、フルーツ類などがそれに続いていますが、近年はアメリカで多く見られるピーナッツ類でアレルギー反応がでる子供も増えてきました。

食事のときは原因となる食物を摂取しないことが最重要となりますが、見慣れない料理に出会う機会も多く、言葉の問題で材料を正確に確認することが難しい海外旅行の食事では、全ての原因食物を避けることは容易ではありません。

どんなに注意しても原因食物を摂取してしまうリスクはゼロにできませんので、そのような場合の対処法の確認も忘れてはいけません。対処法で重要なのは最も重篤であるアナフィラキシーショックに対してです。

食物アレルギーの症状で最も多いのは発赤や痒み、蕁麻疹などの皮膚症状です。次いで咳や喘鳴などの呼吸器症状や、嘔吐、お湯通などの胃腸症状などが挙げられます。時には2つ以上の症状が現れるアナフィラキシーと呼ばれる状態となり、呼吸困難や意識消失などのアナフィラキシーショックへと進行する危険性もあります。

旅行前には、誤ってアレルゲンとなる食品を摂取してしまう可能性を考慮して、どんな症状が出るのか、どう対応すればよいのかを医師と相談しておき、抗ヒスタミン薬やステロイド薬などの緊急用常備薬の準備や医療機関の受診などについて相談しておきましょう。

症状が狭い範囲に限定され、かつ痒みなどの軽いものであれば抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服やかゆみ止めの外用薬などで対応できますが、アナフィラキシーショックのような重篤なアレルギー反応の場合にはアドレナリンの投与が第一選択となります。

食物アレルギーに対してもアドレナリンの自己注射液(エピペン)の携帯が認められていますので、過去にアナフィラキシーを起こしたことある人や、その可能性が高い人はエピペンの携帯が推奨されています。

アナフィラキシーが起こった場合には、迅速に医療機関を受診することも大切です。そのときに役立つのはアレルギーカードのような診断、原因、症状、治療などが記載されたメモです。訪れる国の言語や英語併記で書かれているものがベストですが、アレルゲンが誘発されるアレルギー症状、それに対する処置などが具体的に記載されていることが望ましく、やはり旅行の出発前に主治医と十分に相談しておくことが必要です。